日本農村医学会雑誌
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症例報告
農村地区におけるレジオネラ肺炎9症例の臨床的特徴
関 慎也藤松 孝旨角田 卓也
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2018 年 67 巻 1 号 p. 76-81

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抄録

 レジオネラ肺炎は早期診断と適切な治療介入が重要である。当院は農村地区にあり,当院におけるレジオネラ肺炎9症例の臨床的特徴について検討し,農村地区における市中肺炎の鑑別の一助となることを目的に報告する。全症例が男性であり,低二酸化炭素血症,低Na血症,CPK高値が全症例,AST・ALT高値が8症例,eGFRの低下が7症例にみられた。感染経路は6症例で推定され,温泉が4症例,冷蔵トラック車両が1症例,井戸水が1症例であった。6症例が尿中レジオネラ抗原で診断され,3症例で痰のLoop-Mediated Isothermal Amplification(LAMP)法で診断された。これらの病歴や検査所見があるときは尿中抗原や痰のPolymerase chain reaction(PCR)法またはLAMP法で確認することが重要である。

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© 2018 一般社団法人 日本農村医学会
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