日本農村医学会雑誌
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研究報告
二次救急医療機関の救急診療におけるCT画像診断に関する受診後追加報告の現状
星野 有
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2018 年 67 巻 2 号 p. 149-

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抄録
 二次救急医療機関として地域輪番体制下に救急診療を担当している当院では,夜間休日において専門医による即時のCT読影結果が提供されていない状況にあるため,輪番翌日以降の通常診療において救急専従医と放射線科医が診療録とCT画像をチェックし,見落とし所見と判断した場合,速やかに救急専従医が受診後の患者に追加報告を行ない,必要時には再診対応をしている。今回,過去3年間の見落とし症例に関して,疾患分類,重症度,予後を調査検討し,当院の追加報告の現状を報告する。調査の結果,見落とし症例は171件で,総CT検査件数15,196件の1.1%であった。疾患分類では,腫瘍性疾患と外傷性疾患が多く,前者では肺腫瘍,後者では頭蓋内出血が多かった。再診後に根治的な治療を要した重症例は,感染性腹部大動脈瘤,頸椎骨折,くも膜下出血,下垂体卒中,喉頭悪性腫瘍,胸部大動脈解離,腸管穿孔であった。迅速な追加報告によって,これら報告に関連した死亡例はみられず,再診までに病態悪化はみられなかった。今回の結果より,諸家の報告との比較においては当院の見落とし症例の頻度は低い傾向にあり,疾患分類では腫瘍性疾患,外傷性疾患が多く,特に肺病変,頭蓋内出血,大動脈病変の読影に注意を要することが分かり,重症例の見落とし要因には,稀な疾患,撮像範囲の上下端,軽微な所見が関連していると考えられた。また,当院の追加報告の対応が有用であることが示唆された。
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© 2018 一般社団法人 日本農村医学会
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