2018 年 67 巻 2 号 p. 172-
症例は81歳の男性で,食餌のつかえ感と体重減少を主訴に前医受診。上部消化管内視鏡検査で進行胃癌と診断され加療目的にて当院に紹介。食事摂取ができなかったため同日入院となった。入院後,白血球異常高値を伴う発熱が続いたが原因不明であった.血清 Granulocyte-colony stimulating factor(G-CSF)を測定したところ高値を呈したため,G-CSF産生胃癌を強く疑った。全身状態は不良であり周術期合併症リスクも懸念されたが,このままでは全身状態がさらに増悪すると判断し手術を行なった。術後,誤嚥性肺炎を契機に急性呼吸促迫症候群をきたしたため人工換気による呼吸管理を要した。経口摂取ができない状態が長期にわたり栄養管理に難渋したが,最終的に食事摂取が可能となり軽快退院した。