日本農村医学会雑誌
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原著
血液センター空白地域に血液運搬車がもたらした赤血球製剤廃棄削減効果
本間 崇浩
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2019 年 68 巻 2 号 p. 127-133

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抄録
 血液センター遠隔地にある当院は,緊急時に備え一定量の術前血液製剤を院内に備蓄してきたが,血液製剤の廃棄率が全国平均の10倍強と多いことが問題であった。血液センター開設は困難であったため,予定運搬量以上の血液製剤を搭載した血液運搬車を当院駐車場に待機することとなった。法律上,血液運搬車は血液センターが保管することと同義となるため,血液製剤の迅速な確保が可能になった。適切な術前準備血液量を算出するため,最大手術血液準備量(Maximal Surgical Blood Order Schedule; MSBOS)及び手術血液準備量計算法(Surgical Blood Order Equation; SBOE)を導入し,無理なく術前準備血液の中止と赤血球製剤廃棄の削減を可能にした。
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© 2019 一般社団法人 日本農村医学会
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