日本農村医学会雑誌
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症例報告
母児間輸血症候群の4症例
江部 誓美春日部 こずえ山本 幸佑今和泉 幸恵大橋 圭六鹿 泰弘長崎 理香浜田 実邦小久保 稔
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2021 年 69 巻 5 号 p. 535-540

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抄録

 当院で経験した母児間輸血症候群の4症例において重症度,児末梢血Hbと酸素需要期間の関連を検討した。症例1はHb 7.0g/dL,網状赤血球177‰,輸血なし,酸素投与3日間。症例2はHb 4.7g/dL,網状赤血球132‰,輸血あり,酸素投与7日間。症例3はHb 4.1g/dL,網状赤血球202‰,輸血あり,酸素投与12日間。症例4はHb 3.6g/dL,網状赤血球48‰,輸血あり。新生児仮死のため人工呼吸管理,酸素投与を開始。日齢50に酸素投与中止,人工呼吸管理は継続し,日齢198に気管切開を施行。網状赤血球数から急性失血に分類される症例4は慢性失血に分類される症例1~3に対して予後が不良であった。予後が良好であった症例1~3では,児末梢血Hb値が低いほど酸素需要期間が長い傾向が認められた。

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