当院で経験した母児間輸血症候群の4症例において重症度,児末梢血Hbと酸素需要期間の関連を検討した。症例1はHb 7.0g/dL,網状赤血球177‰,輸血なし,酸素投与3日間。症例2はHb 4.7g/dL,網状赤血球132‰,輸血あり,酸素投与7日間。症例3はHb 4.1g/dL,網状赤血球202‰,輸血あり,酸素投与12日間。症例4はHb 3.6g/dL,網状赤血球48‰,輸血あり。新生児仮死のため人工呼吸管理,酸素投与を開始。日齢50に酸素投与中止,人工呼吸管理は継続し,日齢198に気管切開を施行。網状赤血球数から急性失血に分類される症例4は慢性失血に分類される症例1~3に対して予後が不良であった。予後が良好であった症例1~3では,児末梢血Hb値が低いほど酸素需要期間が長い傾向が認められた。