日本農村医学会雑誌
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症例報告
遷延する重症妊娠悪阻による廃用症候群に対し長期の栄養管理とリハビリテーションを必要とした1例
鮎澤 萌中村 佳子飯場 萌絵藤木 豊
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2024 年 73 巻 2 号 p. 95-100

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抄録
 妊婦の廃用症候群について妊娠悪阻に起因した報告はない。今回我々は遷延した重症妊娠悪阻で廃用症候群をきたし長期リハビリテーション(以下,リハビリ)を必要とした症例を経験したので報告する。症例は28歳1妊0産。妊娠9週に妊娠悪阻で前医入院したが症状改善なく妊娠13週に当院へ母体搬送となった。低栄養に対して中心静脈栄養を開始した。著明な下肢筋力低下を認め廃用症候群と診断しリハビリを開始した。日常生活動作(Activities Daily Living:ADL)は緩やかに向上し経口摂取量も増加したため妊娠27週に自宅退院,妊娠38週5日に2,856gの児を経腟分娩した。妊娠悪阻では活動性の低下に伴い廃用症候群をきたす可能性がある。また,低栄養状態はリハビリの帰結と負の相関がある。妊娠悪阻の治療としてのみならず,廃用症候群の予防や有効なリハビリを実施するためにも,栄養管理は重要である。
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© 2024 一般社団法人 日本農村医学会
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