抄録
安城更生病院は,西三河南部西地域医療圏の基幹病院で,その機能を最大限に生かせる人材の確保・育成が必要不可欠である。我々は組織アイデンティティ教育を実施してきたが,職種間による「当院の使命」,「当院の役割」,「私たちの病院づくりプロジェクト研修の意義」における認識の違いを経験した。各職種の管理職およびマネジャーの考えに影響がないかと仮説を立てた。そこで今回,管理職・マネジャーの組織アイデンティティに対する職種間の認識の違い,特に基本理念・将来ビジョンの認識に影響する要因および研修前後の認識の変化を調査したので報告する。
院長より「目指す姿と将来ビジョン」の講演後,職員満足度のワークショップを行なった。研修前後に基本理念・将来ビジョン,管理職・マネジャーの役割,働き続けたい職場等のアンケートを実施した。アンケートは,82名(93.2%:88名)の回答が得られた。研修前の基本理念・将来ビジョンの認識は職種間で違いを認めた(p=0.048)。職種(医師),管理職・マネジャーの役割の理解が影響していた。研修前の働き続けたい職場および多職種合同研修の必要性は,職種間で違いを認めた(p=0.019,p=0.004)。また研修前に低かった認識が,研修後にすべて有意に改善し,職種間に差を認めなかった。
今回,研修前の基本理念・将来ビジョン,働き続けたい職場,多職種合同研修の必要性の認識は,職種間で違いを認めたが,多職種合同研修を通じて認識の差を改善できた。