抄録
正常者および片麻痺患者において腹直筋の伸張反射波を導出し,種々の条件下にその振幅を比較した.中枢性片麻痺患者では患側でより高いT波の得られる例が多いが,有意な左右差のみられない例も多い.仰臥位での通常安静呼吸時にも,また呼吸を制止させた状態でも,呼吸相により反射波振幅は変動を示し,吸気位に亢進する傾向を認める.頭位による振幅変化もみられ,対称性緊張性頸反射などの姿勢反射機構の影響をうけうることが示唆された.これらの結果から,腹直筋運動ニューロンの反射興奮性は体幹各部の感覚入力に関連して中枢性に統合支配されていることが示唆される.