リハビリテーション医学
Online ISSN : 1880-778X
Print ISSN : 0034-351X
ISSN-L : 0034-351X
腫瘍による下肢切断患者の生活と社会復帰について
長期生存患者に対するアンケート調査から
赤居 正美立石 昭夫仲田 実生竹山 信成岩倉 博光檜垣 昇三
著者情報
キーワード: 骨軟部腫瘍, 下肢切断
ジャーナル フリー

1986 年 23 巻 4 号 p. 213-218

詳細
抄録

腫瘍による下肢切断は,他原因によるものとは異なり,各種併用療法による訓練の遅延,中断などの不利な条件があり,リハビリテーション上問題となると考えられる.そこで骨軟部原発性腫瘍のため,大腿切断,股関節離断,骨盤半側離断を行って,術後5年より29年,平均13.8年を経過した39症例をアンケート調査し,その日常生活の実態を調べた.これら長期生存者では,高位離断群が大腿切断群に比べ義足の使用が少ない点を除くと,生活上の困難も意外と少なく,リハビリテーションの遅延や中断が最終的な社会復帰への障害にはなっていなかった.生命の予後の点を克服すれば,他原因の切断に比べ遜色はないと考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top