抄録
運動の与える筋線維タイプ交換に対する影響を明らかにする目的で,4週齢および12週齢のラットに自由走行による運動負荷を行わせ,ATPase染色を用いた酵素組織学的評価を行い,安静ラットとの相違について検討した.
その結果,安静ラットの加齢による筋線維タイプ変換は,ヒラメ筋では2A→2C→1および2B→2C→1の方向性に生じ,長趾伸筋では2A→2Bおよび2C→2Bの方向性の変換が生じると考えられる.また幼若ラットに与える自由走行の影響としては,ヒラメ筋では1→2C,長趾伸筋では2B→2Aの方向性の力が働くと考えられる.成熟ラットでは,運動負荷による筋線維タイプ変換は認められなかった.