リハビリテーション医学
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実用コミュニケーション能力検査の開発と標準化
綿森 淑子竹内 愛子福迫 陽子伊藤 元信鈴木 勉遠藤 教子高橋 真知子笹沼 澄子
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1987 年 24 巻 2 号 p. 103-112

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抄録

我々は失語症患者の日常生活場面でのコミュニケーション行動を評価する目的で実用コミュニケーション能力検査を開発した.本検査は,(1)日常コミュニケーション活動を対象とした検査項目,(2)言語外文脈を考慮した構成,(3)コミュニケーションの実用性を反映した採点法,を特徴とする.
失語症患者200例,健康成人40例に本検査を実施した結果,(1)本検査は家庭でのコミュニケーション状況をよく反映し,信頼性と妥当性が高いこと,(2)失語症患者では,高齢になるほど日常コミュニケーション能力の低下が著しいこと,(3)本検査の結果から,コミュニケーションの実用性を5段階に分類しうること,(4)既存の失語症検査とは質的に異なる情報を提供すること,などが示された.

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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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