抄録
筋疲労過程における表面筋電図周波数の変化について,筋出力における違いと誘導法における違いについて検討した.健常男性5例を対象として,右手第一背側骨間筋より多チャンネルの表面筋電図を記録し周波数分析を行い,median power frequency (MDPF), mean power frequency (MEPF)を経時的に計測し,比較検討した.筋出力の増加に伴い,収縮開始時の最初の周波数には変化が少なかったが,MDPFおよびMEPFの低下速度は速くなった.各チャンネルでの筋電図の収縮開始時の最初の周波数は異なっていたが,MDPFおよびMEPFの時間に対する低下の程度はどの誘導からも同等であった.