リハビリテーション医学
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拡大ADL尺度による機能的状態の評価
(1)地域高齢者
細川 徹坪野 吉孝辻 一郎前沢 政次中村 隆一
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1994 年 31 巻 6 号 p. 399-408

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抄録
65歳以上の地域高齢者2,591名を対象に,在宅生活における機能的状態を評価する指標として拡大ADL尺度を構成した.この尺度はバーセル・インデックス10項目を自立・介助の2値変数に変換したものと,老研式活動能力指標の手段的自立因子5項目を分離したものとを合成した2次的指標で,GuttmanおよびMenzelの基準を満たす1次元階層性尺度である.Mokkenの項目別尺度化係数により尿便禁制などを除外した12項目版は高い内的整合性を示した(KR-20信頼性係数0.9).この尺度の得点は加齢に伴い有意に減少し,性差はなく,バーセル・インデックスや老研式活動能力指標に比べて高齢者の健康状態(主観的健康状態と通院治療の有無)の差異を敏感に反映するものであった.
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© 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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