The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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原著
福山型先天性筋ジストロフィーの末期にみられる慢性呼吸不全と嚥下障害の悪化について
三好 和雄
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2007 年 44 巻 6 号 p. 343-346

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抄録

福山型先天性筋ジストロフィーの末期の病態について検討をした.対象は,入院中死亡した12例(平均年齢23.0 歳)と入院中の4例(平均年齢33.8 歳)の16例(男性7 例,女性9 例)である.このうち11 例が慢性呼吸不全に陥り,3 例は人工呼吸療法を受けずに死亡し,3 例は気管切開による,5 例は非侵襲的人工呼吸療法を受けた.この11 例には嚥下障害の悪化も認められ,10 例は経管栄養が実施され,1 例は食事の工夫のみで対応された.嚥下障害の悪化と慢性呼吸不全の時期をみると,3 例は同じ時期に両者が認められた.7 例は嚥下障害の悪化が先に認められ,このうち3 例はその後1 年以内に呼吸不全に陥った.従って,福山型先天性筋ジストロフィーの末期では嚥下障害が悪化した場合,呼吸不全への注意が必要である.

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© 2007 社団法人 日本リハビリテーション医学会
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