2017 年 54 巻 1 号 p. 4-8
片麻痺上肢のリハビリテーション(以下,リハ)にロボットが広く利用されることが期待されている.ロボットは運動学習則のうち,特に強化学習に有利なツールであるが,日常生活活動(ADL)の転移(汎化)は十分でない.主な上肢リハ支援ロボットを比較検討した結果,企業による安定供給とランダム比較試験によるエビデンスの点で,Amadeo®,ArmeoPower®,InMotion ARM®,Bi-Manu-Track®,ReoGo®の5機種が有力である.一方,上肢ロボットリハ全体の効果は証明されているが,運動学習の観点から課題や制御そのものについての議論は不足している.今後,Human-Robot Interaction(HRI)分類などを利用した解析,ADLへの転移,企業の姿勢などが課題である.