2017 年 54 巻 12 号 p. 969-973
進行したがんやCOPDを有する患者において,薬物療法などの病態生理学的治療によって呼吸困難の病態を完全に改善できることは少ない.しかし,多くの慢性疾患と一致して,COPDでは身体活動性は重要な生命予後指標であり,呼吸困難の存在は身体活動制限の主要因子である.したがって,適切な治療のうえでなお存在する呼吸困難にも多角的視点から緩和的介入が求められる.本稿では,呼吸困難に苦しむ患者の暗澹たる思いに光を灯す手法となり得る非薬物療法を自験例も含めて概説する.