食は一生の楽しみであり,たとえ在宅で療養生活を送っている高齢者でも,できるだけ食事を続け,食生活を喜びで満たしてあげたいというのが,医療者として最も大事にしたい部分である.ただ,さまざまな原因で通常の食事がとれなくなった場合,経口以外の栄養補給を考えなければならない場合も多い.嚥下能力に問題ないとされている高齢者においても,最近はフレイルの概念の導入と共に,その栄養管理の考え方に変化がみられている.肥満や糖尿病がある場合でも,十分に栄養をとり体重を維持することが,フレイルを予防し,平均余命を延ばすことにつながることが明らかになっている.本稿では,在宅療養における栄養サポートに関わる問題を検討する.