The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『リハビリテーション治療戦略における痙縮治療の意義』
上肢痙縮に対するボツリヌス毒素治療
竹川 徹
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2018 年 55 巻 6 号 p. 479-483

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抄録

A型ボツリヌス毒素(BoNT-A)を併用することで,痙縮をコントロールしつつリハビリテーション治療を実施することが可能である.異常肢位や動作障害の原因となる痙縮筋などにBoNT-Aを投与する.末梢の巧緻動作が良好な場合には,肩,肘などの上肢近位筋への投与は効果的である.反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)治療に先立ち痙縮筋へBoNT-Aを使用することはしばしば行われる.発症後長期の生活期で入院中・施設入所中であっても,痙縮が介護時の障害となっている場合にはBoNT-A投与が検討できる.上肢痙縮に対するBoNT-A療法について,その後のリハビリテーション治療戦略を加味した筋の選択,リハビリテーション治療効果などについて2症例を提示しつつ解説した.

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© 2018 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
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