装具療法は脳卒中患者の立位・歩行獲得のために有効な手段であり,運動療法を合わせて実施することでその効果を高めることができる.セラピストの介入が少なくなる生活期においては,下肢の変形や異常運動を防ぐために下肢装具が重要な役割を担うが,その効果を発揮するためには,装具メンテナンスなどの患者指導も重要である.生活期でも多職種チームで連携してリハビリテーション診断と治療を行い,装具を装着したことによる歩行時の筋活動や下肢の運動を学習させる運動療法が重要である.さらに,介護保険サービスとの情報共有,地域の装具ユーザーやケアマネジャーへの相談窓口を設置するなど,地域連携も不可欠である.