骨粗鬆症の薬物治療開始の対象は診断基準を満たす例の他,骨密度で評価した骨量減少者(YAMの80%未満)のうち,①大腿骨近位部骨折の家族歴を有する例,②FRAX®による評価で主要骨折の10年間発生確率が15%以上(75歳未満に適応)の例である.わが国で骨粗鬆症治療薬として認可されている薬剤のうち,骨折抑制効果が示されているのは窒素含有ビスホスホネート,抗ランクル抗体,選択的エストロゲン受容体モジュレータ,副甲状腺ホルモン,抗スクレロスチン抗体,新規活性型ビタミンD3で,骨粗鬆症治療ではこれら6剤から選択する.