2020 年 57 巻 10 号 p. 913-919
本稿は,第56回日本リハビリテーション医学会学術集会における指定パネル:障害受容の教育講演に大幅な加筆・修正をした内容となっている.「障害受容」のリハビリテーション医療の臨床場面での使用法について,2007年時と2020年時のインタビュー調査結果の比較検討を行い,「障害受容」の使用法からみえる今後の課題について考察を行った.
大きな傾向として「障害受容」の使用を控える療法士が増えていた.今後,人権を基盤としたリハビリテーション医療の推進が重要であり,そのための倫理感(観)の醸成には,「障害受容」の使用法について,障害のある当事者による講演機会や関連書籍の参照,事例検討会などを通した職場の組織体制や風土の変容が有効である.