現在,日本では約462万人の認知症患者が存在し,2025年には約700万人に達すると推計されている.認知症に対する非薬物療法である回想法は,その効果のエビデンスが積み上げられつつあるが,長時間の会話や個人史の把握などが必要であり,人工知能を装備したロボットの適用の可能性が検討されつつある.また,認知症の発症および進行のリスク要因である身体的不活動にも,運動をサポートするためのロボットの適用が試みられている.認知症に対するAIおよびロボットの活用範囲は今後さらに広がっていくものと予想され,最終的には機能の高いAIが認知症患者のパートナーとなるようなロボットが幅広く適用されていくものと考えられる.