2020 年 57 巻 8 号 p. 693-698
薬物治療の進歩とともに関節リウマチ(RA)を含むリウマチ性疾患のリハビリテーション診療はよくも悪くも大きく変化した.挙児希望(WoCBA)RA患者への対応や高齢RA・高齢発症RA患者の併存疾患,重複障害の問題,生活期の療養場面でのRA治療,介護場面での需給ミスマッチなど解決すべきことは山ほどある.そのような状況下でも治療効果を最大化するためには,患者自らの主体的なかかわり(アドヒアランス)を高めることが大切であり,SARAHが大きなヒントになる.そして,主体的なかかわりが困難な状況に陥ったとしても,RA患者を「生活しにくさをもつ人」として捉え,必要な医療や援助が適切に受けられる地域包括RAケアシステムの構築を期待したい.