全身性強皮症は,線維化病変と血管病変を呈する自己免疫疾患であり,多彩な症状を示す.その呈する症状に応じて治療が行われる.病型分類や特異抗体より,呈しやすい症状や経過が予測される.近年,新分類基準で早期診断が可能となり,本邦においても診療ガイドラインが公表された.リハビリテーション治療についても記載があり,病態,障害像に応じたリハビリテーション治療が示されている.代表的な問題点は,皮膚硬化による手指ROM制限であり,皮膚硬化の強い症例では,四肢ROM制限や開口制限も生じる.また,間質性肺炎や肺高血圧症の合併は,重症例においてADLやQOLに影響を及ぼす.そのため,その障害像に応じてリハビリテーション治療を選択し実行する.