2020 年 57 巻 8 号 p. 710-714
皮膚筋炎・多発性筋炎はいずれも自己免疫性炎症性疾患で,リハビリテーション治療がかかわるのは,筋炎症状としての四肢近位筋や体幹の筋力低下,嚥下障害などである.また,間質性肺炎や治療薬としての副腎皮質ステロイド薬の投与による筋力低下についても対応することになる.リハビリテーション治療としての筋力トレーニングを行うタイミングは,投薬によりクレアチンキナーゼ値が低下し始めれば,値が正常化していなくても,徐々に開始し,セルフケアにかかわる動作練習を加えることが可能と考えられている.筋力の回復には1年以上かかることがあり,治療薬維持期に長期間のリハビリテーション治療が必要となる症例もある.