The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『慢性疼痛のリハビリテーション医療Up To Date』
慢性疼痛の病態形成における不動の影響
―筋萎縮,筋性拘縮,筋痛のメカニズムも踏まえて―
沖田 実本田 祐一郎田中 なつみ坂本 淳哉
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2021 年 58 巻 11 号 p. 1221-1228

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抄録

運動器の外傷や外科術後などに生じる痛みが顕著な場合や持続して認められる場合は,患部やその周囲は運動を回避し,不動状態となる.また,傷害部位の治癒促進を目的に行われるキャスト固定などは不動状態を強いることになる.すると,運動器,中でも可塑性に富んだ骨格筋は筋萎縮や筋性拘縮,筋痛など,重複化,重篤化した病態を呈し,これらは慢性疼痛の病態形成にも影響を及ぼす.加えて,不動そのものが痛みの増悪や新たな痛みの発生といった慢性疼痛の病態形成に直接的に影響することも最近明らかになっている.そこで本稿では,筋萎縮,筋性拘縮,筋痛のメカニズムも踏まえ,慢性疼痛の病態形成における不動の影響を概説した.

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© 2021 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会

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