脳神経疾患のactivities of daily living(ADL)評価について,診療患者数でリハビリテーション科最大の脳卒中,その主たるADL評価法のFunctional Independence Measure(FIM),とりわけ運動項目を取り上げる.FIMは順序尺度であるが,一定の制約のもと,研究面でも実践面でも,その合計が間隔尺度に準じて使われている.FIM運動項目には難易度があり,Rasch解析や順序ロジスティック解析により,食事や排便や整容は容易で,歩行や浴槽移乗や階段は難しい項目であることが示されている.FIM運動項目合計で示される脳卒中患者の帰結は急性期病院で撮像された拡散テンソル法MRI脳画像から一定程度予測できる可能性がある.FIM運動関連項目は,神経損傷と並び,年齢に強く影響される.