The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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特集『摂食嚥下障害に対するリハビリテーション医学・医療The Cutting Edge』
サルコペニアと摂食嚥下障害
―診断と治療―
藤島 一郎國枝 顕二郎
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2022 年 59 巻 9 号 p. 888-896

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抄録

サルコペニアの診断は筋肉量の減少が必須であるとされたが,2019年のEWGSOPの発表では筋肉量のみならず筋肉の質が大事であるとされている.嚥下に関する筋肉は横紋筋であるが,発生学的には鰓弓由来の呼吸筋に近く,四肢の骨格筋とは別の特性をもっている.安静時にも呼吸からのドライブがかかっているために廃用に陥りにくい.ただし,オトガイ舌骨筋のみは例外で,サルコペニアが生じやすい.治療としては栄養管理と筋力強化が重要である.サルコペニアによる摂食嚥下障害の診断にはフローチャートが提案されているが,確定診断は現時点では困難とされている.嚥下筋の評価はエコーが有力視されている.治療は運動と栄養療法が基本である.

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© 2022 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会

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