小児の脳損傷,脊髄損傷では成人同様に回復期のリハビリテーション治療が必要だが,制度は未整備で受け入れ可能な専門施設は少なく,十分なリハビリテーション治療が提供されていない.小児の回復期リハビリテーションでは重症児の管理や将来を見据えた高次脳機能障害の支援など幅広い診療ニーズがあり,学習の保障・復学支援や家族支援が重要である.小児脳損傷,脊髄損傷の診療ニーズを満たし,適切な量のリハビリテーション医療を提供し,小児の心身のケアを行い発達を支え,適切な支援を行えるような診療体制が必要であり,そのための制度設計が望まれる.