認知症に対するリハビリテーション医療を行うには,病状を重症度ごとに,かつ目的に合わせた評価法を用いて,その結果を解釈し,個別性のある介入戦略を立てる必要がある.しかし,中等度・重度の段階で使用できる各種評価法についてはあまり知られておらず,特に国内では浸透していなかった.本稿では,中等度・重度認知症患者で用いることができる認知機能,日常生活活動,行動心理症状の各種検査・評価法を紹介する.そして,これまでの介入手法の適応と限界,介入までの考え方について述べたい.今後,この段階における研究がさらに進むことが望まれる.