The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
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回復期リハビリテーション病棟における歩行レベル評価尺度Walking LEVEL Scale(WaLS)の反応性の検討
望月 亮豊田 貴信神谷 康貴鈴木 琢弥服部 勇輝吉本 好延
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論文ID: 24041

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抄録

目的:回復期リハビリテーション病棟での歩行レベル評価におけるWalking LEVEL Scale(WaLS)の反応性を,Functional Independence Measure歩行項目(FIM歩行)とFunctional Ambulation Category(FAC)と比較し検証した.

方法:回復期リハビリテーション病棟の入院患者を対象とした.入棟時と退棟時の2時点において各評価尺度を用いて評価した.統計分析は変化量,各尺度間の変化量の相関(Spearmanの順位相関係数),天井効果と床効果,Effect Size(ES),Standardized Response Mean(SRM)を算出して行った.反応性分析は全対象,疾患別(脳血管,整形),重症度別(入棟時WaLSカテゴリーによって軽症,中等症,重症の3つに分類)の計6つの分析グループごとに実施した.

結果:分析対象は103名.中等症以外の5つの分析グループで,変化量はWaLSが最も大きかった.WaLSとその他2つの評価尺度間において,変化量は有意な強い正の相関を認めた(ρ>0.7,p<0.01).FIM歩行はその他尺度と比べ,より多くの分析グループで天井効果や床効果を認めた.すべての分析グループにおいて,いずれの尺度も中等度以上の高い反応性を示した(ES>0.5).天井効果や床効果を認める場合,ESが過大評価されやすい傾向にあった.軽症を除くすべての分析グループでWaLSは最も高いSRMを示した.

結論:回復期リハビリテーション病棟における歩行レベル評価尺度として,FIM歩行,FAC,WaLSはいずれも高い反応性を有し,反応性においてWaLSは最も優れていることが示された.

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