抄録
研究背景:疲労感は身体活動を妨げる要因であるが,透析日と非透析日で変動があるため個別
に調査する必要がある。
目的:透析日および非透析日の疲労感と非透析日の身体活動量との関連を調査すること。
方法:外来血液透析患者30 人を対象とした横断研究である。非透析日の身体活動量は活動量
計を用いて,起床時から就寝時までの歩数を測定した。透析日の疲労感は透析終了後1 時間以
内,非透析日の疲労感は起床後に,日本語版Chalder fatigue scale を用いて評価した。歩数と疲
労感は,連続した透析日と非透析日にて計4 回測定し,それぞれの平均値を算出した。統計解析
は線形回帰分析を実施した。
結果:透析日の疲労感が高いと歩数は有意に少なかった(偏回帰係数:−206 . 28,95%信頼区
間:−359 . 17,−53 . 40 )。
結論:非透析日の身体活動量増加に向けて,透析日の疲労感に着目する必要がある。