抄録
自己管理行動継続に向けた心理的支援を展開し,生活機能の改善,QOL と生命予後の向上に資
することが期待される。本稿は,保存期CKD 患者への看護師主導の多職種介入研究に関する文
献レビューを実施し,保存期CKD 患者の多職種介入における看護支援効果と心理面に着目した
効果検証の在り方を考察した。国内外の看護師主導の多職種介入研究では知識提供と,心理的支
援を含めた看護介入で,自己効力感の向上,自己管理行動の改善,抑うつ・不安の改善,QOL の
向上が示された。しかし,各指標を測定する尺度,評価時期にもばらつきがみられた。今後,看
護師を含めた多職種の介入効果を検証する際,全死因による死亡率,CVD 発症,腎機能低下,
QOL に加え,共通指標を用いて自己管理行動,自己効力感等,心理面での介入効果についての評
価を行うことが期待される。