日本腎臓リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2436-8253
Print ISSN : 2436-8180
CKD 患者における服薬アドヒアランスの 向上をめざした心理面へのアプローチ
竹内 裕紀
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2024 年 3 巻 2 号 p. 94-104

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抄録
 CKD の進行・合併症を防止するには,患者が適正に服薬することが前提となる。CKD は痛み などの症状が現れずに徐々に病態が進行していくため,服薬の意義や必要性を実感しにくい。そ のためにノンアドヒアランスとなり,CKD の進行を速めてしまう場合も少なくない。  ノンアドヒアランスでは,まずは正しく服薬できない原因を把握する必要がある。原因には飲 み忘れ,薬の飲みにくさ,症状がない,効果が実感できない,効果への疑心,副作用への不安, 服薬の意義の理解不足,用法用量を正しく理解できないなどさまざまである。心理面が関与して いる場合は,心理面へのアプローチを行う。服薬の意義の理解が不足している患者には,エビデ ンスや具体的な事例を示しながら,現実感を持てる説明をすることが重要である。ノンアドヒア ランスに対する心理面へアプローチとして,効果への実感・期待を高め,副作用の不安を解消・ 軽減し,服薬の意義や必要性を理解してもらう服薬指導を実践する。
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© 2024 一般社団法人日本腎臓リハビリテーション学会
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