抄録
血液透析患者は高齢者が多く,低栄養,フレイル,サルコペニアのリスクが高い集団である。
栄養状態を正確に把握すること,早期に低栄養の患者を特定して適切に治療介入をすることが,
血液透析患者のADL やQOL の改善,健康寿命の延伸につながる。血液透析患者で用いられる栄
養指標には,食事摂取量や体重減少などに関する問診,血清アルブミン値に代表される単純栄養
指標,GNRI のようにいくつかの単純栄養指標を組み合わせた複合栄養指標などがある。単純栄
養指標よりも複合栄養指標の方が感度は高い。複合栄養指標にはSGA,GNRI,NRI—JH などの
低栄養スクリーニング目的の指標とGLIM のような低栄養診断のための指標があり,臨床および
研究で用いられている。これらの栄養指標は生命予後や臨床的に重要なアウトカムとも関連す
る。低栄養のスクリーニングと診断のための複合栄養指標間の優劣については今後の検討が必要
である。