日本胸部疾患学会雑誌
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気管粘膜および気道粘液の P. aeruginosa に対するレセプターについての検討
黒木 秀明加藤 政仁林 嘉光伊藤 剛松浦 徹武内 俊彦
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1989 年 27 巻 6 号 p. 696-702

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抄録
ラット気管を用い, 正常粘膜および傷害粘膜に対する P. aeruginosa の付着能を検討した. すなわち0.1N塩酸を10分間接触させて傷害粘膜を作製し, P. aeruginosain vitro で付着させ走査電顕で観察した. P. aeruginosa の付着能は傷害群が正常群に比し著明に高値を示した. P. aeruginosa の傷害粘膜への付着能におよぼすムチンと各種の糖の影響を検討した. P. aeruginosa の付着はムチン, N-Acetylneuraminic Acid, N-Acetyl-D-Galactosamine の前処置で抑制された. しかし N-Acetylglucosamine, L-Fucose, D-Mannose, D-Galactose の前処置では抑制されなかった. 傷害気管粘膜を過ヨウ素酸ナトリウムまたはノイラミニダーゼで前処理すると P. aeruginosa の付着は抑制された. 以上の成績よりシアル酸は気管粘膜およびムチンにおいて P. aeruginosa のレセプターあるいはその一部として働いている可能性が示唆された.
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