日本胸部疾患学会雑誌
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特発性肺線維症症例における末梢血顆粒球のオキシダント産生能亢進に関する検討
三尾 直士長井 苑子竹内 実北市 正則楠目 馨川谷 暁夫泉 孝英
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1990 年 28 巻 9 号 p. 1195-1201

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抄録
特発性肺線維症 (IPF) 11例の末梢血中顆粒球の phorbor myristate acetate (PMA) 刺激によるオキシダント産生能を膠原病性間質性肺炎 (IP-CVD) 6例, サルコイドーシス (Sar) 8例, 対照例 (H) 12例と比較検討した. オキシダント産生は dichloro-fluorescein hydrate deacetate を用いて flow cytometry により測定した. 無刺激時の蛍光強度に対する最大反応時の蛍光強度の比 (stimulation index: SI) を反応性の指標, 最大反応時の1/2の蛍光強度を示すPMA濃度 (PC1/2max) を感受性の指標と定めて, 検討を加えた. SIはIPF (平均値±SD: 7.2±0.45), IP-CVD (6.3±0.6), Sar (6.0±0.71), H (5.8±0.2) でIPFで高い傾向を示した. PC1/2maxはIPF (7.3±2.1ng/ml), IP-CVD (9.1±3.0ng/ml), Sar (12±6.9ng/ml), H (16.1±5.8ng/ml) でIPFFとHの間で有意な差があり (p<0.05), IPF症例では穎粒球のPMA刺激に対する感受性が亢進していることが示された.
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© 日本呼吸器学会
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