日本胸部疾患学会雑誌
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肋骨原発で胸郭内腫瘤を形成した形質細胞腫の1例
池田 剛司南方 良章乾 宏行湯川 進野本 拓辻本 真人
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1992 年 30 巻 1 号 p. 133-137

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抄録
症例は75歳, 男性. 完全房室ブロックで心ペースメーカー植え込みを施行されていたが, 平成元年の胸部X線写真で左肺野のペースメーカーに一致した場所に陰影が存在した. 平成2年3月, 左肺野陰影の増大と, 右上肺野の新たな陰影の出現を認め, 当科に紹介された. 左第4肋骨原発の孤立性形質細胞腫 (SPB) から多発性骨髄腫 (MM) へと進展したものと考えられ, 2ヵ所に胸腔内に突出する腫瘤を形成していた. 本例は, 局所の放射線治療に良く反応し, 著明な腫瘤縮小を認めた. 胸部疾患として形質細胞腫をみることは稀であり, 確立された分類や治療法はない. 文献例の調査より, 胸郭内形質細胞腫の分類を試み, 治療法につて検討した.
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© 日本呼吸器学会
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