日本胸部疾患学会雑誌
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吸入ステロイド大量療法におけるスペイサー内複数回噴霧法の基礎的臨床的検討
山岸 雅彦田中 裕士横川 和夫菅谷 文子本間 伸一本間 昭彦四十坊 典晴阿部 庄作
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1993 年 31 巻 10 号 p. 1235-1244

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抄録
高容量スペイサー内にプロピオン酸ベクロメタゾン (BDP) を複数回噴霧した後に吸入する場合のBDPの肺内沈着率について基礎的検討をおこなうとともに, スペイサー (Volumatic) 内に4噴霧後吸入する方法の臨床的効果を検討した. Twin Impinger 法による in vitro の基礎的検討では, InspirEase, AeroChamber のいずれもがスペイサー内噴霧回数が増すにつれて肺内沈着率は低下したが, Volumatic では4噴霧までは低下しなかった. 臨床的検討では, 吸入ステロイド大量療法 (BDP800μg/日以上) 下の18名の慢性喘息患者に Volumatic を用いて12週間1噴霧-1吸入法で, つづいて同量のBDPを16週間4噴霧-1吸入法で吸入させたところ, 4噴霧-1吸入法期間では1噴霧-1吸入法期間と比較して, コンプライアンスの改善 (92.8%から99.2%; p<0.001), 発作点数の低下 (p<0.01), 吸入β-刺激薬使用数の低下 (p<0.05), %PEFRの改善 (p<0.05) がみられた.
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© 日本呼吸器学会
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