1996 年 34 巻 10 号 p. 1093-1097
多発性筋炎/皮膚筋炎 (PM/DM) にともなう間質性肺病変 (ILD) の予後に対する重要性とその際のILDの予後決定因子をしらべることを目的に, PM/DM 51例中画像上ILDが考えられた41例を対象に臨床・病理学的検討を行った. ILDの治療反応性から3群に分け臨床検査所見を比較したところ, 進行群では有意に皮膚症状と呼吸器症状が高率であり, 筋症状は軽度で, 筋酵素も低く, 抗Jo-1抗体が陰性であった. 9例が呼吸不全で死亡し, 全員DMでCK低値, 抗Jo-1抗体陰性例で治療に抵抗し急速に進行した. 病理学的検索ができた7例はいずれもびまん性肺胞障害 (diffuse alveolar damage) の所見を呈していた. PM/DMのILDには予後不良の一群があり, その管理・治療上重要な臓器病変であることが明らかとなった.