1996 年 34 巻 10 号 p. 1098-1103
肺結核の集団感染の証明には従来より分離結核菌のファージ型別, 菌の薬剤感受性パターンが用いられてきたが日本でみられる型は2種のみであること, 分離菌の多くは抗結核剤に感受性があることよりこれらの方法は限界がある. 今回感染経路を明らかにする目的で肺結核家族発生の疑われる3例, 及び院内感染が疑われる2例の分離結核菌を用いRFLP分析 (restriction fragment length polymorphism analysis) を行なった. 各々のグループでRFLPパターンは同一であることが証明され家族感染, 院内感染の可能性がきわめて高いと考えられた.