日本胸部疾患学会雑誌
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MALT (mucosa-associated lymphoid tissue) lymphoma の1症例
新井 正高屋 忠丈伊東 祐二早川 和良戸島 敏渋谷 智顕野村 万寿美吉見 直己柴山 麿樹安田 洋
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1996 年 34 巻 9 号 p. 1009-1014

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抄録

症例は63歳, 女性, 主訴は胸部X線写真異常の精査, 現病歴: 平成2年5月より経過観察されていた右下肺野の腫瘤影の精査目的にて当科に紹介入院となった. 入院後のTBLBにて pseudolymphoma を強く示唆されるも, 悪性腫瘍も否定できず, 本人と家族の希望により手術を施行された. 腫瘤は境界が明瞭でS6が3×3.5×4cm, S8が2×2.5×3cm, T1N0M0で stage I であった. 病理組織標本に免疫組織学的所見 (CD19+, CD20+, IgD-, CD5-, CD10-) より総合的にMALTリンパ腫と診断された. 肺原発悪性リンパ腫とMALTリンパ腫は, 細胞形態だけからは鑑別が困難であり組織学的, 免疫学的, 遺伝子学的検討が必要であると考えられた.

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