日本胸部疾患学会雑誌
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DXAによる肺気腫患者の体成分分析および肺機能との関連性の検討
吉川 雅則米田 尚弘夫 彰啓山本 智生竹中 英昭仲谷 宗裕小林 厚徳山 猛岡本 行功成田 亘啓
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1996 年 34 巻 9 号 p. 953-958

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抄録

慢性閉塞性肺疾患 (COPD) 患者の体重減少の詳細を明らかにするために, Dual energy x-ray absorptiometry (DXA) を用いて体成分分析を行い, 肺機能との関連についても検討した. 対象は外来通院中の男性肺気腫患者17例で, %標準体重 (以下%IBW) で体重非減少群 (A群; %IBW≧90), 軽度減少群 (B群; 90>%IBW≧80), 中等度以上減少群 (C群; %IBW<80) の3群に分けて検討した. 骨塩量 (BMC), 脂肪量 (FAT) はB, C群で, 除脂肪体重 (LEAN) はC群で健常対照より有意に低下していた. A群では3成分ともに有意な変化を認めなかった. LEANは%VC, FEV1, MVVと有意な正の相関, RV/TLCとは有意な負の相関を認めた. 以上から, 肺気腫患者では体重減少の重症度により体成分に変化がみられ, 体成分特にLEANの変化が肺機能と関連することが示唆された.

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