日本胸部疾患学会雑誌
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胸部異常陰影を契機に発見され, 肺胞低換気を呈した筋緊張性ジストロフィーの1例
松本 久子網谷 良一渡辺 茂樹李 雲柱新実 彰男坪井 和正陳 和夫大井 元晴中村 慎一久世 文幸
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1996 年 34 巻 9 号 p. 997-1002

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抄録

検診時の胸部異常陰影を契機に発見され, 様々な呼吸機能異常を呈した筋緊張性ジストロフィーの1例を報告する. 症例は52歳, 男性. 20歳代から鼻にかかった話方を指摘されたことがある他は著変なく日常生活を送っていた. 入院約1年前の検診時に右横隔膜挙上・右下肺野の索状影などの胸部異常陰影を指摘され, 次第に増加してきたため入院となった. 理学所見・筋電図所見から筋緊張性ジストロフィーと診断され, 胸部異常陰影は同疾患によるものと考えられた. 高炭酸ガス血症, 低酸素血症, 肺活量の低下, 高炭酸ガス吸入による換気応答の低下などがみられた. 夜間の酸素飽和度モニターでSpO2の低下があり, ポリソムノグラフィーにて中枢性睡眠時無呼吸の存在が明らかになった. またカプサイシン吸入による咳反射の低下も確認された.

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