日本胸部疾患学会雑誌
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血清中, 胸水中のIL-5, IL6, G-CSFが高値を示した慢性好酸球性肺炎の1例
猪岡 望井上 彰進藤 百合子鈴木 沢耶小西 一樹
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キーワード: 慢性好酸球性肺炎, IL-5, IL-6, G-CSF
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1997 年 35 巻 8 号 p. 867-872

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抄録

症例は44歳, 男性, 気管支喘息を基礎疾患にもち, 慢性好酸球性肺炎を発症した. 発症時に好酸球多数を含む胸水貯留を認めたが, ステロイドの短期大量投与によって症状, 検査所見の改善をみた. 胸水および血清中のサイトカインを測定したところIL-5, IL-6, G-CSFの著明な増加を認め, またこれらのサイトカイン濃度は胸水中で血清中を大きく上回っていた. しかしながら同時に測定したIL-3, GM-CSF濃度は正常範囲にとどまっていた. 慢性好酸球性肺炎の発症機序は未だ不明であるが, 肺局所におけるIL-5, IL-6, G-CSFの過剰の産生がその発症に重要な役割を果たしており, これを抑制することが本疾患の治療法となりうることが示唆された.

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