日本胸部疾患学会雑誌
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バッファリンの関与が疑われた急性好酸球性肺炎の1例
内田 和仁関口 繁男松田 州弘栗原 泰之
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1997 年 35 巻 8 号 p. 873-877

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抄録

バッファリンの関与が疑われた急性好酸球性肺炎の1例を報告した. 症例は21歳の大学生で1.5ヵ月前から喫煙をはじめた. 中学時代より, しばしばバッファリンを服用し, 今回呼吸困難が出現する前日にも2回服用した. 39度の発熱と強い呼吸困難を主訴に入院, 同日の気管支肺胞洗浄液の好酸球増多と, 胸部レントゲン写真で kerley's line を伴う広範なスリガラス影を認めたことより急性好酸球性肺炎と診断した. 抗菌薬やステロイド薬を使わずに自然軽快した. 入院時に, 末梢血および肺胞洗浄液のインターロイキン5値は高値を示した. 1週間後にはともに低下していたが, 肺胞洗浄液の好酸球増多は続いていた. バッファリンに対するリンパ球刺激試験が陽性だった. 急性好酸球性肺炎として報告されている症例の中に, バッファリン服用者が含まれており, 両者の関連が注目された.

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