1997 年 35 巻 8 号 p. 905-909
胸腔鏡下肺生検にて診断が確定した necrotizing sarcoid granulomatosis の1例を報告した. 症例は28歳, 女性. 胸痛を主訴に来院し胸部X線上, 両側肺野に多発性の結節陰影を認め, 胸部CT上も両側肺野に非区域性で多発性の結節陰影を認めた. 気管支鏡下に擦過細胞診や経気管支的肺生検を行ったが確定診断が得られず, 胸腔鏡下肺生検を施行した. 組織学的には, 血管の内腔を閉塞するように結節性の肉芽腫が集簇し, 血管炎の所見も著明であり, necrotizing sarcoid granulomatosis (NSG) と診断した. 診断後プレドニゾロン投与により多発性結節陰影は速やかに消失した. NSGの診断には胸腔鏡下肺生検が有用であると考えられた.