日本胸部疾患学会雑誌
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気管支内腔にポリープ状腫瘤を形成した肺原発非ホジキンリンパ腫の1例
宮田 靖志岡野 良倉富 雄四郎
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1997 年 35 巻 8 号 p. 910-914

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抄録

症例は58歳, 女性. 平成7年5月, 咳嗽にて近医を受診. 胸部X線上, 右下葉の無気肺と左下肺の円形腫瘤陰影を指摘され来院した. 胸部CTにて上記の所見に加え, 右中間気管支内にポリープ状腫瘤を認め, 気管支鏡にて中間気管支膜様部に右下葉気管支を完全閉塞する表面平滑やや結節状の光沢を有するポリープ状腫瘤を認めた. 生検組織所見はB細胞性びまん性大細胞型非ホジキンリンパ腫であった. 肺外病変・縦隔リンパ節腫大は認められず肺原発悪性リンパ腫と診断した. 多剤併用化学療法が著効を示し完全寛解が得られた. 肺原発非ホジキンリンパ腫は稀であり, 本症の気管支病変および治療について考察を加え報告した.

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