日本放射線技術学会雑誌
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19. CR 胸部撮影についての検討 : 第 2 報臨床評価(CR-1 胸部)
板垣 良二阿部 喜弘佐々木 清昭阿部 養悦佐々木 信行佐々木 斉喜小倉 隆英佐々木 正寿
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1992 年 48 巻 8 号 p. 1104-

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抄録

CR胸部撮影において、従来用いてきたE階調による画像出力では、L値2.0〜2.2程度が適していると考えられる。しかし、胸厚が厚くなるとその範囲を越えてしまう場合が多くなる。管電圧を変化させ、L値をある程度は調整できるがその範囲はあまり広いものではなく、十分な効果は期待できない。また、撮影管電圧の上昇により、肺野内における微小コントラスト像の検出能が低下することが考えられ、被曝線量、装置の負荷を考慮すると、管電圧100kV程度で撮影するのが望ましいと考えられる。CRによる画像データの読取りは直線的であり、その画像情報を濃度値として示現する階調特性の形状の被写体コントラストに対する適正化は、有効な方法である以上より、CRにおける胸部撮影では、撮影条件の適正化を計ることも重要だが、CRの特性であるEDR機構を積極的に利用し、被写体の持つラチチュードの認識能を生かすためにも、得られたL値に応じて、最も胸部写真に適する階調特性を自動設定できるような処理システムの開発が望まれる

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© 1992 公益社団法人 日本放射線技術学会
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