1992 年 48 巻 8 号 p. 1112-
歯科領域におけるデンタル撮影及びパノラマ撮影は、私共メディカル中心にした大学病院の放射線部ではややなじみが少ない分野である。しかし、X線入射方向により顎下腺、水晶体等にも被曝する恐れがあり、デンタル撮影では増感紙を使用しないため胸部単純撮影1枚に比較しても極端に入射線量が多い。この事情を考慮して既にデンタル撮影を実施する際の増感紙の兼用については報告されているが使用の際の不便さが生じて充分実用化されていない。このために私共はNb-filterの利用を検討し装置に装着するだけで今までと同様に撮影が行え、画質的に劣化を生じる事なく患者の被曝線量が軽減出来た。以上の結果より、Nb-filterの利用は歯科領域における被曝線量軽減の上で大きな意味を持つと確信している。